IT用語を超やさしく理解する
確率の基本
別名: 確率 / 事象 / 標本空間 / 余事象 / 加法定理 / 乗法定理 / 同時確率 / probability
30秒で思い出す
確率は「ある出来事がどれくらい起こりやすいか」を0から1の数で表すものです。
- 0 → 起こらない
- 1 → 必ず起こる
- 0と1の間 → 起こる可能性がある
すべての結果が同じくらい起こりやすいときは、
確率 = 条件に合う結果の数 / 全結果の数
で求められます。
たとえば公平な6面サイコロで偶数が出る確率は、
3 / 6 = 1 / 2
です。
超やさしく理解
確率を考えるときは、まず「何が起こり得るか」を全部整理します。
公平な6面サイコロなら、
{1, 2, 3, 4, 5, 6}
が考えられる全結果です。
この全体を標本空間と呼びます。
その中で「偶数が出る」という条件に合う結果は、
{2, 4, 6}
です。
このような「注目する出来事」を事象と呼びます。
全結果が同様に確からしい、つまり同じ確率で起こるなら、
P(偶数) = 3 / 6 = 1 / 2
と求められます。
確率を数え上げで求める
前のKnowledgeで学んだ場合の数は、確率を求めるときによく使います。
全結果が同じ確率で起こる場合、
P(A) = Aが起こる場合の数 / 全体の場合の数
です。
重要なのは、「結果が全部同じくらい起こりやすい」という前提があるときに使える式だということです。
偏ったサイコロのように結果ごとの起こりやすさが違う場合は、単純に個数だけを割ってはいけません。
余事象
事象Aが「起こらない」事象を、Aの余事象と呼びます。
Aが起こるか起こらないかのどちらかなので、
P(Aではない) = 1 - P(A)
です。
たとえば、障害が起こる確率が0.1なら、障害が起こらない確率は、
1 - 0.1 = 0.9
です。
「少なくとも1回起こる確率」を直接数えにくいときに、逆の「1回も起こらない確率」を求めて1から引く方法がよく使われます。
加法定理
AまたはBが起こる確率を考えます。
AとBが同時に起こる可能性がある場合は、単純に足すと重複分を二重に数えてしまいます。
一般には、
P(AまたはB)
= P(A) + P(B) - P(AかつB)
です。
たとえば、
- Aが起こる確率: 0.4
- Bが起こる確率: 0.3
- AとBが同時に起こる確率: 0.1
なら、
0.4 + 0.3 - 0.1 = 0.6
です。
AとBが絶対に同時には起こらない場合は、重複がないので、
P(AまたはB) = P(A) + P(B)
と簡単になります。
同時確率
AとBが両方起こる確率を同時確率と考えます。
記号では、
P(AかつB)
と表せます。
2つの事象が独立、つまりAが起きたことがBの起こりやすさに影響しないなら、
P(AかつB) = P(A) × P(B)
です。
たとえば、互いに独立な2台の機器で、
- 機器Aが正常である確率: 0.9
- 機器Bが正常である確率: 0.8
なら、両方とも正常である確率は、
0.9 × 0.8 = 0.72
です。
乗法定理
一般の乗法定理は、Aが起きたという条件の下でBが起こる確率を使って、
P(AかつB) = P(A) × P(B | A)
と表します。
P(B | A) は「Aが起きたという条件でBが起こる確率」です。
この条件付き確率の求め方や、そこからベイズの定理へつなげる考え方は次のKnowledgeで扱います。
AとBが独立なら、
P(B | A) = P(B)
なので、
P(AかつB) = P(A) × P(B)
になります。
どこで使う?
確率の考え方は、不確実な出来事を数量として扱うときに使います。
ITでは、たとえば、
- 機器故障の起こりやすさ
- 複数部品が同時に正常である確率
- ランダムな試行の結果
- 監視やテストで異常を検出する可能性
- 障害が少なくとも1回起こる可能性
などを考える基礎になります。
よくある勘違い
条件に合う数を全体の数で割れば、いつでも確率になる?
違います。
その数え方は、全結果が同じ確率で起こる場合に使えます。結果ごとの起こりやすさが違う場合は、それぞれの確率を考える必要があります。
「AまたはB」はP(A)+P(B)でいい?
AとBが同時に起こる可能性があるなら、そのまま足すと重複を二重に数えます。
P(A) + P(B) - P(AかつB)
と考えます。
「AかつB」はいつでもP(A)×P(B)?
違います。
そのまま掛けられるのは、AとBが独立な場合です。一般には条件付き確率を使います。
確率0なら絶対に起こらない?
離散的な基本問題ではそのように扱えますが、連続的な確率分布では「特定の1点の確率が0」でも、その値が数学的に不可能という意味とは限りません。
このKnowledgeでは離散的な基本問題を中心に扱い、確率分布の詳細は後続Knowledgeへ分けます。
このKnowledgeで扱わないこと
ここでは、標本空間・事象・基本的な確率・余事象・加法定理・同時確率・乗法定理の入口を扱います。
条件付き確率の具体的な計算、ベイズの定理、確率分布、期待値、マルコフ過程、統計分析は後続Knowledgeへ分けます。
ここまで分かればOK
- 標本空間と事象の意味を説明できる
- 同様に確からしい結果から基本確率を求められる
- 余事象を使って確率を求められる
- AまたはBの確率で重複を引く理由を説明できる
- 独立な事象の同時確率を掛け算で求められる
- 一般の乗法定理では条件付き確率が必要だと分かる
資格との関係
基本情報技術者試験
- シラバス
- Ver.9.2
- 必要な理解
- 問題で応用できる
- 重要度
- 高
- 分野
- テクノロジ
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